はじめての資産運用
ケーススタディで考えるマネースキルアップ講座  
読者9人9様のライフプラン&資産づくりのケーススタディ
 
第7回30代で夫婦が別々の道を歩むケース
 
 
豊田眞弓/ファイナンシャル・プランナー

マネーカウンセリングネットWealthメンバー。1995年より独立系FP。新聞・雑誌、サイトへの寄稿・監修、個人相談業務、セミナー講師などで活動しており、生活感あるアドバイスに定評がある。「今日からのお金持ちレシピ」(明日香出版社、共著)、「住宅ローン賢い人はこう借りる」(共著、PHP研究所)ほか著書も多数。
 photo
 
 
ケーススタディ
ケーススタディ6:(38歳女性Hさん)
「手取り年収380万円で貯蓄は300万円。子供1人をこれからは自分1人で育てていくことになりました」
<Hさんのプロフィール>
38歳会社員、子供7歳(小学校1年生)
住まい今は共有名義のマンション
年収手取り約380万円(税込み約480万円)
年間貯蓄不明(30万〜50万円か?)
貯蓄300万円
(普通預金100万円、定期預金200万円)
貯蓄内訳予備費150万円、教育資金100万円、引越し資金50万円(予定)
 
離婚時には「マイホーム」がネックに!?
Hさん:現在、詳細は協議中ですが、すでに別々の道を歩むことが決まっています。検討をかさねた結果、子供は私が引き取っての再出発です。

豊田:そうですか。お子さんを抱えて大変ですが、よくお考えになられての結論だったのでしょうね。

Hさん:ええ。前向きにがんばろうと思っています。

豊田:ところで、生活設計面では何か不安はありますか?お仕事は会社員ですよね。

Hさん:仕事は結婚後一度辞めていたのですが、3年前に再就職先を探して、正社員の仕事を見つけました。今になってみると、このとき職に就けていてよかったです。

豊田:財産分与や慰謝料、養育費などの話し合いはすっきりされているのですか。


Hさん:そのあたりはだいたい終わっています。それで、私と子供の貯金としてはっきりしているのが300万円ということなんです。養育費は、月3万円ということで決めました。残っている問題は、昨年、共有名義で買ったばかりのマンションのことです。売却するか、どちらかが相手のローン残債を買い取って住み続けるか・・・。もし売却してもローンが残るだけなんです。

豊田:住宅の問題がネックになるケースって多いですね。

Hさん:私と子供はできたら住み続けたいと思っているのですが、相手のローン残債を買い取る資金はないし、2人分のローンを支払うのもムリですし・・・。

豊田:相手がいいといってくれるなら、使用貸借という手もあります。名義はそのままで、ローンも払ってもらいつつ、タダで貸してもらうことです。相手に十分な理解がないとできないことですが。

Hさん:そういう手もあるのですね。ちょっと夫に相談してみます。友人に聞いたら、離婚後は膨大な手続きの山だそうですね。引越ししないで済むだけでも、多少とはいえ、書類が少なくて済みそうです。
利用できる情報を網羅した「しおり」を参考に!
豊田:子供の世話についてはご実家の手は借りられるのですか?

Hさん:実は近所なので、いろいろと助けてもらおうと思っています。でも、経済的なものだけは、親には頼らないつもりです。

豊田:その気持ちは大事ですね。そういう意味でも、国の児童扶養手当は、手続きをしてしっかりもらいましょう。離婚届けをだしたら、すぐに手続きをするといいです。実はこの手当てはさかのぼってはもらえないのです。

Hさん:各種手続きについては届けを出した足で、役所を回ってまとめて済ませたいと思っています。「手当て」についても、そうしようと思います。

豊田:そうですね。ちなみに、住んでいる地方自治体が独自に行っている制度なども含め、ひとり親が利用できる制度などが網羅された「ひとり親のしおり」というものがあるので、それを参考にして見てみるといいですよ。福祉事務所などでもらえるはずです。役所でもらえるところもあるかもしれません。


Hさん:さっそくもらってきます!
教育資金の準備は早めに進めよう!
豊田:ちなみに、これから先のことなどはどう考えていますか?

Hさん:まずは、住まいの問題もクリアして、実際に再出発をしてみないと、どういう人生になるのか、まだ考えられないですね。住居費でどれくらいかかるのかで、年間どれくらいの貯蓄ができるのかも違ってきますし。とりあえず、何が何でも、子供の教育の分だけは貯蓄したいと思っていますが。

豊田:お子さんの教育資金はどうやって貯めるつもりですか?


Hさん:とりあえず自宅から通える範囲で、大学か専門学校には通わせたいと思っています。そのための費用として300万円は貯めたいと思っています。

豊田:今ある100万円を引くと、200万円。中学を卒業するまでの8年程度で元金だけでこの200万円を貯めようと思ったら、1カ月2万円程度のペースで貯めないといけません。また、これで不足する場合は、奨学金などを借りる覚悟があれば、足りないということはないと思います。

Hさん:月2万円は非常にぎりぎりかも。おっしゃるとおり、足りない時は、子供と相談して、奨学金について検討したいと思います。

豊田:そうした目的別貯蓄をしっかり貯めることのほかにも、やっていただきたいことがあります。それは、保険の見直しです。万一の時に、お子さんが社会人になるまでにかかる分を残せる程度は死亡保障に入っておきたいですね。おおまかな目安としては、死亡保障2,000万円程度です。

Hさん:そうなんですね。余裕があれば、離婚したらすぐに保険の見直しをしたいと思います。ところで、このコーナーで毎号作成しているライフイベント表や貯蓄計画表は、私の場合は作成しなくていいのでしょうか?

豊田:住居費の問題をはじめ、まだ家計が固まっていないので、あわてることはありません。まずは膨大な手続き類を済ませて、家計の収支が落ち着くのを待って、それからライフイベント表などを作成しましょう。今は、あまり考えすぎないことですね。

Hさん:老後資金の準備なども考えないといけないのかと思っていましたが、それもまずは、今の状況が落ち着いてからでいいでしょうか。

豊田:まずは生活のペースを掴むことが先決ですよ。

Hさん:それを聞いて安心しました。離婚した後はああしなきゃこうしなきゃとあれこれ考えすぎていたように思います。そうではなく、まず、新しい生活になじむことが大事なのだとわかって、とりあえずほっとしました。

豊田:それでなくてもストレスフルなはずでしょうから、あまり自分を追い詰めないことが大事です。ではがんばってくださいね。

Hさん;はい、とりあえずがんばります。
(そういってHさんは帰っていきました)
 2004年10月
マネーカウンセリングネットWealth 豊田眞弓
ファイナンシャルプランナー / ファミリーリスクコンサルタント
 
 <<< 戻る
次へ >>> 
 

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品を説明するページをご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

 
  
第1回>>> 永続可能な家計を作ろう
第2回>>> 20代独身のケース
>>> ケーススタディ1:(26歳独身男性)
「手取り年収350万円で貯蓄が60万円! 結婚資金はどう貯めればいい?」
第3回>>> 30代DINKS(共働きで子どもはいない)のケース
>>> ケーススタディ2:(35歳男性)
「世帯年収手取り700万円で貯蓄は600万円。3年後にマイホームを購入する予定」
第4回>>> 30代、妻は専業主婦、子供ありのケース
>>> ケーススタディ3:(34歳男性)
「世帯年収手取り500万円で貯蓄は300万円。子供は2人、住宅ローンあり」
第5回>>> 30代後半ば、独身のケース
>>> ケーススタディ4:(36歳女性)
「手取り年収450万円で貯蓄は400万円。結婚はしないかも・・・、家は買えるなら買おうかと考え始めた」
第6回>>> 35歳以降に子供を授かった方のケース
>>> ケーススタディ5:(40歳女性)
「世帯年収手取り700万円で貯蓄は800万円。住まいは賃貸マンション。遅く子供が生まれ、できたらもう1人をと考えています」
第7回>>> 30代で夫婦が別々の道を進むケース
>>> ケーススタディ6:(38歳女性)
「手取り年収380万円で貯蓄は300万円。子供1人をこれからは自分1人で育てていくことになりました」
第8回>>> 40代DINKSの方のケース
>>> ケーススタディ7:(45歳女性)
「世帯年収手取り900万円で貯蓄は500万円。マンションのローンはまだ3,000万円近い残債があります。家計のことはあまり考えずに夫婦でお金を使っていましたが、そろそろ老後に備えて準備も必要かなと考え始めました」
第9回>>> 40代後半、子供は大学生のケース
>>> ケーススタディ8(49歳男性)
「世帯年収手取り800万円で貯蓄は300万円。住宅ローンと教育資金で貯蓄がどんどん目減りしていて、不安です」
第10回

>>> 50代で子どもは自立のケース
>>> ケーススタディ9(52歳女性)
「世帯年収手取り820万円で貯蓄は1,000万円。子供たちも巣立ち、急に家計にゆとりがでました。そろそろ老後の準備をしなくてはと思いますが、どれくらい貯めればいいのでしょう」