はじめての資産運用
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第9回40代後半、子供は大学生のケース
 
 
豊田眞弓/ファイナンシャル・プランナー

マネーカウンセリングネットWealthメンバー。1995年より独立系FP。新聞・雑誌、サイトへの寄稿・監修、個人相談業務、セミナー講師などで活動しており、生活感あるアドバイスに定評がある。「今日からのお金持ちレシピ」(明日香出版社、共著)、「住宅ローン賢い人はこう借りる」(共著、PHP研究所)ほか著書も多数。
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ケーススタディ
ケーススタディ8:(49歳男性Iさん)
「世帯年収手取り850万円で貯蓄は700万円。住宅ローンと教育資金で貯蓄がどんどん目減りしていて、不安です」
<Iさんのプロフィール>
49歳会社員、長男:21歳(下宿・大学2年生)、長女:19歳(下宿・大学1年生)
住まい持ち家(一戸建て)
年収世帯手取り約850万円(税込み約1100万円)
年間貯蓄0円
貯蓄700万円(普通預金200万円、定期預金450万円、外貨預金50万円)
貯蓄内訳予備費150万円、教育資金550万円
 
下宿の大学生2人がいて家計が厳しい!
Iさん:子供2人が大学生で、しかも下宿をしていることもあるせいか、思っていた以上に家計の負担が大きいですね。年収は高い方だと思うのですが、毎月20万円の仕送りをしているので、私の小遣いは8万円から4万円に減らされましたよ(笑)。

豊田:愚痴をいいたくなるお気持ち、お察しします。

Iさん:長男は1浪で、1年間これまた下宿しながら予備校に通ったので、予想外に支出がかさんでしまいました。教育資金用に貯めた貯蓄もどんどん減っています。

豊田:それで不安に思っていらっしゃるのですね。

Iさん:それに、長女が大学を卒業したら、海外の大学に留学したいなんていってまして。目的をきちんと聞いてから、援助するかどうか判断したいと思ってますが、夢をかなえてあげたい反面、どこまでサポートすべきか、正直、迷いますよね。

豊田:子供に十分な教育をして夢をかなえてあげたいのは、親として自然な気持ちですが、でも、自分たちの老後の生活も大事ですからね。


Iさん:そうなんです。

豊田:最近、一部の親の中には、子供の教育資金の予算を設定する人も増えているように思います。たとえば、500万円までの教育費は援助するけれど、あと不足する分は自分で奨学金を借りてどうにかしなさいと、子供が中学くらいから宣言するのです。大学に入ってから急に言われても困りますから、あらかじめ「洗脳」しておく(笑)。

Iさん:確かに、親としてここまではしてあげるけれど、この先は自分で何とかしなさい、と突き放す部分があってもいいのかもしれませんね。

豊田:もちろん、突き放すにしても、子供は全額をアルバイトでまかなうのは厳しいでしょうから、ある程度のお金は出してあげることになるでしょう。たとえば、その分を子供に対して「貸し出す」という形をとってはどうでしょう。

Iさん:それは名案ですね。今、教育資金用の貯蓄が550万円あるのですが、これがなくなって、それでも長女が留学することになった時は、その方法を話し合ってみます。
住宅ローンも定年までの返済を目指す
豊田:住宅ローンもまだけっこう残っているんですよね。

Iさん:そうなんです。家は築12年。買ったのが遅めだったのと、大き目のローンを組んでしまったせいで、まだ残債が3,500万円近くあります。これも、正直なところ、家計の負担になっています。

豊田:今は老後資金の準備は難しいでしょうけれど、少なくとも、上のお子さんが卒業する2年後以降からは、少し余裕ができるのではないでしょうか。そこから定年までの間に、ちょっとずつ繰上返済をしていきましょう。

Iさん:そうですね、定年までに返し終えたら万々歳です。

豊田:ただし、一戸建ては、マンションと違って、自分で「修繕積立金」を貯めておく必要があることも忘れないでくださいね。

Iさん:定年を迎えた時、家は築23年。水周りも含めた修繕が必要になっていて、費用も数百万円の単位でかかるでしょうね。そういうのは退職金で払おうと漠然と思っていましたが、やはり準備しておいたほうがいいんですよね。

豊田:その通りです。お子さんの教育資金が現在、1人につき年間200万円くらいかかっているので、ご長男の分がなくなれば、10年でおよそ2,000万円は貯められる計算です。下のお子さんがあと3年で就職した場合は、残り7年でさらに1400万円プラスになります。今の教育資金分基準とするなら、併せて3,400万円が定年までに貯められる可能性があるのです!

Iさん:その中から繰上返済をして、リフォーム分を準備していくわけですよね。ということは、私の小遣いを元に戻せないってことでしょうか?(笑)。それに、娘が留学に行き、その費用を負担すれば、その分は貯められなくなるわけですね。もっとも、その分は子供への貸し出しにするつもりですが・・・。

豊田:その調子です(笑)。なお、老後資金の準備は、上のお子さんが卒業されてからでいいので、積立をされてはどうでしょう。たとえば、投資信託を毎月3万円程度ずつ買われるとか。運用できる期間が10年以上と長いので、インフレリスクに備える意味でも、一部に投資性の商品を組み込んでいくのもいいですよね。もちろん、一方で、繰上返済をするのも大事です。

Iさん:新生銀行の場合は、預金残高から自動的に繰上返済されていくので便利ですね。

豊田:シニアに向かうにつれて、ご自身の入院リスクや介護リスクも高まるので、予備費を増やしていくことも忘れないでほしいですね。いくら効果があるとはいっても、全額を繰上返済に回すのは良くないと思います。

Iさん:わかりました。老いていく分、だんだん予備費を大きめにしていくんですね。夫婦の親たちも年老いて心配は増しているので、それは守って行こうと思っています。

豊田:いいですね〜。

Iさん:教育資金の負担でくよくよ悩んでいましたが、考えてみれば、ここ何年かのことなんですよね。あー頭がすっきりしました!
(そういってIさんは帰っていきました)
 2004年12月
マネーカウンセリングネットWealth 豊田眞弓
ファイナンシャルプランナー / ファミリーリスクコンサルタント
 
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