外貨預金はどこの国がいい?おすすめ通貨や選び方をご紹介

本記事は、SBI新生銀行からのお知らせです。

ひと口に外貨預金といっても、たくさんの国の通貨が選べます。代表的なものとして、米ドルがあげられますが、多くの金融機関ではユーロや豪ドルなども含め、複数種類の通貨をラインナップしています。では、どのような点に注意して通貨を選ぶのが良いのでしょうか。この記事では、外貨預金の通貨選びの際に把握しておくべき点について紹介します。

外貨預金で資産運用をしよう

外貨預金とは

「外貨預金」とは、外国の通貨(=外貨)で行う預金のことを指します。例えば、日本の「円」を「米ドル」などに交換して預け入れます。

円の預金と同じように、いつでも預け入れや引出ができる「普通預金」と、引出(解約)時期が原則として満期時だけとなる「定期預金」(1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年、2年、3年、5年など)があります。

外貨預金は、資産運用の1つとして注目されています。日本の銀行預金金利は長年にわたって超低金利の状況が続いていることもあって、外国の通貨のほうが円よりも金利が高い傾向があります。そのため、高金利の外貨を選んで預金をすることで、円で預金をしているのに比べて多くの利息を受け取れることが期待できます。

ただし円預金と違って、円と外貨を交換する時には「為替手数料」がかかりますし、「為替レート」が日々変動するため、タイミングによっては保有している外貨を円に交換した際に、損をしてしまうことがあります。

金利、為替手数料、為替レートの変動の大きさは通貨によって異なるため、通貨の特性や取引条件を確認しておくことが重要になります。

外貨預金ができる通貨

外貨預金で選べる通貨は、金融機関ごとに異なります。たとえば、SBI新生銀行では下記の通貨を取り扱っています。

<外貨預金ができる通貨>
米ドル ユーロ 豪ドル NZドル
英ポンド スイスフラン カナダドル シンガポールドル
香港ドル 南アフリカランド ノルウェークローネ 中国人民元
トルコリラ ブラジルレアル - -

米ドルやユーロ、豪ドルは多くの金融機関が扱っていますが、同行では、ニュージーランドドルや英ポンド、スイスフラン、カナダドル、シンガポールドル、香港ドル、南アフリカランド、ノルウェークローネ、中国人民元、トルコリラ、ブラジルレアルなど、先進国だけでなく新興国の通貨も含めてラインナップされているため、広く選択肢が設けられている印象です。

外国通貨のそれぞれの特徴

このように外貨預金は通貨の選択肢が多いと、どの通貨を選んだらいいのか迷ってしまう人も少なくないでしょう。
外貨預金を選ぶ際に大事なポイントは、金利・為替手数料・為替レートの変動の3つです。特に金利と為替手数料は金融機関によって異なる点は覚えておきましょう。代表的な外貨の特徴は次の通りです。

・米ドル(アメリカ合衆国)
取引量が世界最大となる「世界の基軸通貨」です。外貨預金といえば米ドル預金を想像する人は多いのではないでしょうか。ニュース番組などで「円安」または「円高」という言葉を聞きますが、これは米ドルに対して円が高いのか低いのかを表していることがほとんどです。円安は米ドル高、円高は米ドル安を意味します。このように、為替相場の変動については、米ドルを中心に報道されているため、初心者の人でも状況が把握しやすい点が特徴です。

・ユーロ(EU)
米ドルに続いて取引量が多い通貨がユーロです。ユーロは、1999年にドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、オーストリア、フィンランド、ポルトガル、アイルランド、ルクセンブルクの11カ国が通貨統合を行うことで誕生したヨーロッパの通貨です。実際に貨幣が流通し始めたのは2002年です。当初11カ国だったユーロ圏の国数は、2023年1月時点で20カ国に増加しており、存在感は長期的に拡大傾向です。為替相場は比較的安定しています。「ユーロを買って米ドルを売る」または「ユーロを売って米ドルを買う」という取引が多いため、ユーロと円の為替レートは、米ドルと円の為替レートと異なる動きをすることがあります。通貨を分散して保有したい方にとって、ユーロは有力な選択肢になるでしょう。

・豪ドル(オーストラリア)
オーストラリアといえば「資源国」という印象を持つ人は多いと思います。実際、輸出品目の代表は、鉄鉱石、石炭、天然ガスであり、日本のLNG(液化天然ガス)輸入先トップはオーストラリアです。(2020年時点)
オーストラリアの輸出入先トップは中国であり、21世紀に入ってからの中国の経済成長率が高い時期に豪ドルは上昇傾向にありました。
過去は高金利通貨といわれていましたが、本記事執筆時点(2023年6月)では、日本を除く各国中央銀行がインフレ対応の利上げに動いてきた背景があり、金利の高さは目立ちません。

一方、オーストラリアには、財務状況が健全なことから高い信用格付けを得ている、日本と時差が少ないことから旅行先として人気、といった魅力があり米ドルの保有者が、2つ目の分散投資先として豪ドルを選ぶケースはめずらしくありません。

・英ポンド(イギリス)
イギリスで使用されているのが英ポンドです。過去第二次世界大戦までは、英ポンドが基軸通貨といわれていましたが、現在はその役割は米ドルが担っています。
2016年に国民投票によって結論づけられたとおり、イギリスは2020年にEUから離脱しました。米ドルやユーロに比べると取引量が少なく、為替相場が変動しやすいと言われている通貨です。変動が大きい分、為替差による利益を狙いたい人が好む通貨となっている印象です。

・南アフリカランド
南アフリカは金やプラチナなどを輸出する資源国であるため、鉱物資源の価格動向と関係があります。また、国内政治や輸出先である中国経済の状況によっても為替相場が変動する可能性があります。BRICsの一角であり、新興国に分類されます。物価の変動が大きいためか、金利が比較的高い傾向があります。南アフリカランドは、為替相場の変動が激しいため、リスク許容度が高い経験者が、余剰資金の一部で保有する分には問題ありませんが、初心者が多額の資金で保有すると大きな損失を被ってしまうことがあります。

・トルコリラ(トルコ)
トルコは、高いインフレ率が問題視されており、為替レートが不安定な通貨です。金利が比較的高いのは魅力的に見えますが、為替相場の変動がかなり大きいため、慎重に投資判断をした方が良い通貨だといえます。トルコ内部政治もしくは中東エリアの国際情勢の影響で変動する可能性もある通貨です。

運用のポイント

通貨による金利と為替手数料の違いに注意する

金利と為替手数料は取り扱う金融機関によって異なります。一般的には米国や英国、欧州圏などの先進国よりも、南アフリカやトルコなどのいわゆる新興国の方が市場金利は高い傾向にあります。外貨預金の金利も各国の金利情勢と同様の動きとなる傾向がありますので、一般的には先進国通貨の外貨預金金利よりも、新興国通貨の預金金利は高めになっている傾向です。

一方、為替手数料は先進国通貨のほうが安く、新興国通貨は高い傾向にあります。これは、各金融機関によって理由はさまざまのようですが、主に市場での取引・流通量や価格変動の大きさなども影響しています。取引量の多い先進国通貨は、売買がしやすいので、一般的に為替手数料は低くなる傾向があります。

たとえばSBI新生銀行の場合、外貨預金ができる主な通貨の金利と為替手数料は下記のようになっています。

<通貨別・外貨預金の金利と為替手数料(SBI新生銀行)>
通貨 金利
(定期預金1年もの)
(年利・税引前)
為替手数料
(対円・片道)
(参考)
10万円(円)を外貨に交換して預けた時の為替手数料
米ドル 年4.700% 15銭 106円
ユーロ 年2.300% 40銭 265円
豪ドル 年3.600% 20銭 215円
英ポンド 年3.300% 60銭 343円
南アフリカランド 年5.500% 25銭 3,351円
トルコリラ 年5.000% 1円 13,123円
ブラジルレアル 年1.000% 1円 3,410円
※いずれも2023年6月5日現在のSBI新生銀行(優遇などのない場合)の例。
※為替手数料はスタンダードステージの人における1基本通貨単位あたり・対円(片道)の額を表示。
※「10万円(円)を外貨に交換して預けた時の為替手数料」は、SBI新生銀行の外貨定期預金シミュレーションにて算出した結果。(為替レートにより変わるため、参考値です。)

金利について詳細はこちら「金利一覧 - 外貨預金 | SBI新生銀行」
手数料について詳細はこちら「為替手数料- 外貨預金 | SBI新生銀行」

為替レートの変動に注意する

為替レートについては、価格変動の大きさを頭に入れておくことがポイントです。
変動が大きいと為替差益が得られる可能性が高い反面、為替差損が生じる可能性も高くなります。外貨投資で長期的に資産作りをするのであれば、為替の変動が少ない通貨のほうがよいかもしれません。

為替レートの変動は、当事国のみならず世界各国の政治や経済情勢の影響も受けるほか、各通貨の取引・流通量も一つの要因となります。一般的には、取引・流通量の少ない通貨は為替の変動が大きくなりがちです。通貨の取引・流通量を見てみると下の円グラフのようになっています。

<通貨別・取引高シェア(円グラフ)>

通貨別・取引高シェア(円グラフ)2023年4月の1日平均。BIS(国際決済銀行)のデータをもとに作成。

米ドルが圧倒的に多く、先進国の通貨がそれに続くことがわかります。トルコリラや南アフリカランド、ブラジルレアルなどの取引量は全体の1%に満たず、非常に少ないといえます。そのため、これらの「取引・流通量の少ない通貨=価格変動が大きくなりやすい」という点に、注意して通貨選びをする必要があるでしょう。

最新の為替レートはこちらから

金利・為替手数料・為替変動の関係

ここまでの話をまとめると、外貨預金で大事なポイントとなる金利・為替手数料・為替変動の3つは、切っても切れない関係にあるといえます。それぞれの数字は経済状況によって大きく変わりますが、一般的には「先進国通貨は、新興国通貨と比較すると金利は低めだが、為替手数料が安く、為替相場が安定している」「新興国通貨は、金利は高いが、為替手数料が高く、為替相場の変動が激しい」と覚えておくとわかりやすいでしょう。

<金利・為替変動・為替手数料の一般的な傾向>
金利 為替手数料 為替変動
先進国の通貨 低い 安い 小さい
新興国の通貨 高い 高い 大きい
※あくまでも一般的な傾向です。実際の数字は通貨によります。

つまり、金利が高く、為替手数料(=コスト)が低く、為替変動(=リスク)が小さいという満点の通貨は基本的には存在しないということがわかります。金利の高さを重視するのか、コストの低さや為替リスクの安定を重視するのかは、自分の資産運用のスタイルに合わせて選ぶようにしましょう。

外貨預金かんたん損益シミュレーション

外貨預金におすすめの国(通貨)は?

これから外貨預金を始めようと考えている人が手軽に始めやすい通貨は、「米ドル」です。
金利、為替変動、為替手数料という3つのポイントから見ると、米ドルは国際的な通貨取引の基準となる「基軸通貨」となっているので流通量・取引量が多くて為替手数料が安く、為替レートも比較的安定しています。
金利についても、SBI新生銀行のように2023年6月時点の米ドル定期預金(1年もの)の金利が年4%(税引前)を超えている場合もあり、円預金と比較するとかなり魅力的です。
また、為替レートに影響を及ぼすニュースなどを新聞、テレビ、ネットなどでいつでも簡単にチェックできるなど、米国の経済情報に接する機会が多いことなども米ドルのメリットと言えるでしょう。

ほかには、先進国通貨の中で、日本人にとって馴染みやすく、高金利通貨のイメージから「豪ドル」も日本人にとっては人気の通貨です。外貨建て保険商品で豪ドル建てのものは多数見受けます。
ただし、米ドルやユーロなどの主要通貨と比べたら取引量が劣るため、急な価格変動が起きてしまうこともあります。米ドルやユーロの金利と比較しながら選ぶと良いでしょう。

外貨預金初心者が避けるべき国(通貨)は?

南アフリカランド、トルコリラなどの新興国通貨は、金利が高くても為替の変動が大きいので、初心者は避けたほうが無難かもしれません。

もし将来性に期待している、あるいは金利面に魅力を感じて、新興国通貨を選ぶ場合には、預入金額を少なめにしたり、購入タイミングを分散したりするなどの工夫が必要となるでしょう。

このように、通貨によって金利も為替手数料も為替変動の大きさも全く異なります。金融機関のウェブサイトの外貨預金の説明ページなどで最新の情報も確認しながら、よく検討して選びましょう。

*本文中の記載は手数料、税金等を考慮していません。

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執筆者プロフィール

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

  • 本稿は、執筆者が本人の責任において制作し内容・感想等を記載したものであり、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買や記事の中で掲載されている物品、店舗等を勧誘・推奨するものではありません。
  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場説等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

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