住宅ローン控除の期間が延長
我が家は対象になる?

2019年10月に消費税が8%から10%に増税され、住宅取得時にかかる消費税も10%となったため、「家計の負担がきつくなった」と感じている人もいるかもしれません。しかし、消費税の増税に合わせて、住宅ローン控除の内容も変更が行われ、減税期間が延長されています。この記事では、2019年の消費税増税に合わせて改定された住宅ローン控除の概要と期間延長について詳しく見ていきます。

住宅ローン控除、期間延長の対象になるのはこんな人

住宅ローン控除自体は、以前から存在する制度です。しかし、2019年10月の消費税増税を受けて、10年だった控除期間が13年に延長されています。なお、期間延長の対象になるのは、消費税10%で住宅を購入し、2019年10月~2020年12月末日までに入居した場合のみでしたが、「令和3年度税制改正の大綱」において控除期間13年が適用される住宅購入・建築の対象期間が延長されました。詳細を確認しておきましょう。

対象者:消費税10%適用の新築・中古住宅の取得を以下の期間に締結し、かつ2022年12月31日までに入居した人

  • 注文住宅:2020年10月1日~2021年9月30日
  • その他の住宅:2020年12月1日~2021年11月30日

住宅ローン控除に関してはこちらの記事もご覧ください。

住宅ローン控除とは?適用条件や申請方法を解説(2019年11月の記事)

住宅ローン控除を受ける際の申請方法とは?手続きや流れについて解説(2020年2月の記事)

延長期間中の控除額はどうなる?

住宅ローン11~13年目が控除の延長期間となりますが、その間の控除額については、次のうちのいずれか少ないほうとなります。年間の控除上限額は、1~10年目までと変わらず40万円です。

  • 住宅ローンの年末残高(上限4,000万円)×1%
  • {住宅取得等対価の額-消費税額(上限4,000万円)}×2%÷3

住宅ローン控除についておさらいしておこう

住宅ローン控除が適用されると、12月末時点での住宅ローン残高の一定割合の金額が所得税から控除されます。具体的には、住宅ローンの年末残高の1%が控除分です。控除の上限額は年間40万円で、所得税から引ききれない場合は住民税から控除されます。

住宅ローン控除期間は10年間です。しかし、前述した通り消費税10%で住宅を取得、2019年10月~2022年12月末日までに入居すれば控除期間が13年となります。住宅ローン控除が適用になる条件は、主に以下の通りです。

・その年の合計所得3,000万円以下

住宅ローン控除を受けている途中で、合計所得金額が3,000万円を超える年があれば、その年は住宅ローン控除を受けられません。翌年以降、3,000万円以下になれば再度受けることができます。

・返済期間10年以上の住宅ローン

控除ができるのは、返済期間が10年以上の住宅ローンに限られています。そのため、例えば控除期間内に繰上返済などを行い、完済までの期間が10年を切ってしまう場合は、控除対象外となるため、注意が必要です。返済期間を短縮するタイプの繰上返済を検討する際は、よく考えてから行いましょう。

・床面積が40平方メートル以上の住宅の取得

今までの住宅ローン控除では、床面積が「50平方メートル以上」ある住宅が控除の対象でした。令和3年度税制改正の大綱で合計所得金金額が1,000万円以下の人に限り「40平方メートル以上」の住宅に緩和されています。

・床面積の2分の1以上の部分が自分の居住用であること

住宅ローン控除を受けるためには、建物の床面積の2分の1以上が自分の居住用となることが必要です。そのため、店舗兼住宅を取得したい方は、押さえておきましょう。例えば、店舗が広く床面積の2分の1以上あるようなケースは対象外です。

・自分が居住するための住宅取得借り入れ

例えば、子ども夫婦が住む家(自分は住む予定なし)を購入するために借り入れした資金は、住宅ローン控除の対象となりません。また、別荘や店舗、投資用物件の取得のために借り入れした資金も対象外です。

住宅ローン控除の対象とならない場合とは?

住宅ローン控除の対象については理解できたでしょうか。ここでは、逆に住宅ローン控除の対象にならない場合について解説します。

・贈与による取得、および取得の時、取得後も引き続き生計を一にする親族、特別な関係のある人からの取得の場合

贈与で取得した住宅や生計を一とする親族などからの取得の場合は、住宅ローン控除利用ができません。

・居住の用に供する住宅を2つ以上所有する場合

自宅を2つ以上所有する場合は、主に居住している1つの住宅分の借入金のみ住宅ローン控除の対象となります。

・親族や知人からの借入金で住宅を取得した場合

住宅ローン控除の対象となるのは、金融機関や指定基金、住宅資金の貸金業者から借り入れた場合に限られています。

・土地のみ購入の際の借入金

住宅用の土地であっても、土地のみの購入の場合は、住宅ローン控除の利用ができません。一般的に、家屋が建っていない状態では家屋を目的とする「抵当権」が設定されていません。住宅ローン控除の対象となるためには、住宅ローンに家屋を目的とする「抵当権」が設定されている必要があります。そのため、土地のみで住宅を建てていない状態の間は、住宅ローン控除が利用できません。

ちなみに、先に土地を購入する場合は、2年以内に住宅を建てるのであれば、住宅ローン控除の対象となります。例えば、「5年後に家を建てるための土地の購入」であれば、土地部分購入のための借入金は住宅ローン控除対象にはなりません。

また、建築条件付き土地の場合は、3ヵ月以内に建物の契約を締結することが必要です。あわせて、土地のみ借入金で購入、建物部分は自己資金や親族からの借り入れで取得する場合は、住宅ローン控除の対象外となります。

住宅ローン控除の条件や住宅ローン減税についてはこちらの記事もご覧ください。

住宅ローン控除の条件とは?手続きや必要書類まで詳しく解説(2020年2月の記事)

住宅ローン減税とは?制度の概要と流れ、期間延長についても解説(2020年2月の記事)

長期優良住宅の住宅ローン控除についても要チェック!

耐震性やメンテナンスのことを考えて「長期優良住宅」の建築を検討している方もいるのではないでしょうか。長期優良住宅の場合、一般の住宅ローン控除と控除額が異なります。こちらも確認しておきましょう。

*控除期間は、以下の期間に契約を結び、2022年12月末までに入居した場合のものです。

  • 注文住宅:2020年10月1日~2021年9月30日
  • その他の住宅:2020年12月1日~2021年11月30日
長期優良住宅 一般の住宅
控除期間 13年間 13年間
控除対象の借入限度額 5,000万円 4,000万円
控除の割合 ・1~10年目
1%
・11~13年目
以下のいずれか少ないほう
1.住宅ローンの年末残高(上限5,000万円)×1%
2.{住宅取得等対価の額-消費税額(上限5,000万円)}×2%÷3
・1~10年目
1%
・11~13年目
以下のいずれか少ないほう
1.住宅ローンの年末残高(上限4,000万円)×1%
2.{住宅取得等対価の額-消費税額(上限4,000万円)}×2%÷3
最大控除額
※11年目~13年目については上限の5,000万円をもとに計算しています。
1年目~10年目:500万円
11年目~13年目:約99万円
1年目~10年目:400万円
11年目~13年目:約81万円

ご覧の通り、長期優良住宅で住宅ローン控除を利用するときの借入限度額は一般の住宅に比べ1,000万円も多くなっています。また、年間最大控除額も100万円多いのが特徴です。

国土交通省 住宅取得応援しますPDF抜粋

・長期優良住宅の条件とは?

長期優良住宅とは文字通り長期間優良な状態で住める住宅を指します。控除額が増えることがメリットの長期優良住宅ですが、以下の項目の基準をクリアしないと認められません。

  • 劣化対策:数世代にわたり使用できるように劣化対策が施されていること。
  • 耐震性:大地震が起きた場合でも、建物の変形を一定の値におさえ、かつ修復が可能なように損傷のレベルを低減すること
  • 可変性【共同住宅・長屋のみ】:年齢により変化していく居住者のライフスタイルに合わせて、変更可能な間取りであること。
  • 維持管理・ 更新の容易性:例えば水回りなど構造躯体より劣化が早い場所のリフォームが容易にできるようにすること。
  • 高齢者等対策 【共同住宅等 のみ】:高齢化に伴うバリアフリー改修が容易にできるように必要なスペースを確保していること。
  • 省エネルギー対策:必要な断熱性能が確保されていること。
  • 住戸面積:良好な居住ができるような広さであること。例えば一戸建ての場合は床面積の合計が 75 ㎡以上。
  • 居住環境への配慮:景観の形成や居住環境の維持や形成に配慮された住宅であること。景観計画や条例などがある地域の場合はそれにしたがう。
  • 維持保全計画:建築時から、将来を考えて定期的な点検や補修などを考えた計画がなされていること。また、地震や台風の際には臨時点検を行うこと。

国土交通省 長期優良住宅(新築)認定基準の概要PDF 抜粋

長期優良住宅の認定を受けるためには着工前に申請を行い、認定を受ける必要があります。費用は自分で申請するか、ハウスメーカーや工務店へ依頼するかで大きく異なってきます。非常に複雑かつ専門的な知識がないと難しいため一般的には専門家に委託するケースが多いでしょう。自分で申請した場合は数万円程度(申請費用のみ)ですが、依頼する場合は20万~30万円程度となります。

また、建築後も定期的に点検、補修するための費用も必要です。このように、省エネルギーや耐震性のある住宅を建てるためには、一般の住宅を建てるよりも費用がかかるのです。

長期優良住宅では、住宅ローン控除の優遇以外にも「地域型住宅グリーン化事業」のような補助金、住宅ローン金利の優遇などがあることはメリットです。しかし、「建築・維持管理にお金がかかる」「認定を受けるまでに手間がかかる」という注意点もあります。

そのため、長期優良住宅を検討している場合は、「住宅ローン控除の税額控除がどのぐらい期待できるのか」「申請したりメンテナンスしたりする費用がトータルでどのぐらいかかるのか」をしっかりと比較したうえで検討することが大切です。

中古住宅の住宅ローン控除適用条件とは?

中古住宅取得のための借入金も、住宅ローン控除対象となります。以下の条件は、新築のときと同じです。

  • 住宅ローン控除を受ける年の合計所得額が3,000万円以下
  • 住宅の床面積が50平方メートル以上
  • 住宅ローンの期間が10年
  • 床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満で、かつ、合計所得金額が1,000万円以下となります。

しかし、中古住宅の場合には以下の条件が加わるため、気をつけてください。

  • 建築後使用された物件であること
  • 木造住宅などの「非耐火建築物」:建築日から取得日までの期間が20年以下であること
  • マンションなどの「耐火建築物」:建築日から取得日までの期間が25年以下であること

国税庁 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)から抜粋

住宅ローン控除を受ける際の手続きについて

確定申告を行った場合に住宅ローン控除を受けることができます。手続き方法も知っておきましょう。給与所得者の場合は、取得した住宅に居住開始した年(住宅ローンの支払いを開始した年)の翌年だけは確定申告が必要です。一方で、自営業の人は毎年の確定申告と一緒に手続きを行います。

確定申告についての詳細は以下の通りです。

  • 期間:毎年2月16日~3月15日

*土曜日・日曜日・祝日・休日の場合は翌営業日が期限日。

確定申告時に主に必要な書類と取得できる場所も確認しておきましょう。

書類 取得できるところ
確定申告書(A)
*会社員など通常確定申告をしない人の場合
税務署や国税庁サイト
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 税務署や国税庁サイト
住宅ローン残高証明書 住宅ローン契約中の金融機関から送付
登記事項証明書 法務局
売買契約書の写し 不動産会社(土地・建物の取得時に不動産会社と取り交わしたもの)
源泉徴収票 勤務先
本人確認書類
*以下の中から選択して写しを提出
1.マイナンバーカード
2.マイナンバーカード(もしくはマイナンバーが記載されている住民票)
+運転免許証などの本人確認書類
市区町村役場
(認定長期優良住宅の場合)
認定通知書の写し
契約した不動産会社

住宅ローン2~10年目(延長期間中の住宅取得・居住開始であれば13年目まで)は、勤務先の年末調整時に書類を提出するだけで、住宅ローン控除手続きは終了します。年末調整で必要な書類は、次の通りです。

  • 「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
  • 「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」

「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」は住宅ローン控除のための確定申告をした後に、税務署から送られてきます。2~10年目分(もしくは13年目分)は、まとめて送られてきますので、控除年数が終了するまで大切に保管しておきましょう。

紛失した場合は、申請書(国税庁HPからダウンロード可能)を税務署に持参、もしくは送付し、再発行手続きを行わなければなりません。

「年末残高等証明書」は、住宅ローン契約をしている金融機関から毎年10月ごろに送付されてきます。住宅ローン契約をする金融機関を考える際は、控除の申請をする際に慌てないように住宅ローン控除の手続きについても確認しておくようにしましょう。

住宅ローンの借り換えをした場合、控除はどうなる?

住宅ローンは、最長35年という長期間の契約になることが予想されるローンです。もし、返済中に他の住宅ローンに借り換えをしたら、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか。原則、住宅ローン控除の対象は、住宅の取得・増改築のために必要な借入金です。

通常であれば、借り換えは今までの住宅ローンを返済するための資金で、住宅の取得とは直接関係がない資金とみなされるため、住宅ローン控除の対象とはならないと感じる人もいるかもしれません。しかし、以下を満たせば、借り換えであっても住宅ローン控除対象の住宅ローンとされるため、確認しておきましょう。

  • 1.新しい住宅ローンが当初の住宅ローン返済のためのものと明確であること
  • 2.新しい住宅ローンが10年以上の借入期間など、住宅ローン控除の対象条件に当てはまること

住宅ローン控除が受けられるのは「居住の用に供した年から一定期間(10年、もしくは13年)です。そのため、借り換えをしても控除期間が延びるわけではありません。借り換えで借入期間を10年未満に変更した場合は、住宅ローン控除自体、対象外となるため注意が必要です。

住宅ローン控除期間の延長条件をよく確認しておこう!

2021年度も2019年から引き続き、住宅ローン控除期間は10年から13年に延長されています。控除期間に関して言えば今が住宅取得に適した時期と言えるかもしれません。しかし、延長できるのは以下の条件を満たすことが必要です。

  • 注文住宅の場合は、2021年9月末までに契約
  • その他の住宅の場合は、2021年11月までに契約
  • 2022年12月末までに入居できる

期限が限られていますので、住宅ローン控除の延長の対象となりたい場合は、早めに比較検討することをおすすめします。

*住宅ローン控除は繰り返し改定されていますので、最新の制度の内容について詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。

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田尻様
【執筆者】
田尻宏子(たじりひろこ)
・2級FP技能士
・証券外務員第一種

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本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • ・金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • ・上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。
  • ・また本稿の内容は2021年10月時点の情報に基づきます。

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