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日銀の新緩和策で住宅ローンの金利は上昇する?

日銀は9月21日の金融政策決定会合で、金融緩和政策の柱を、資金供給量から金利に変える新しい緩和策を決定しました。
この決定は私たちの暮らしや住宅ローン金利にどのような影響を与えるのでしょうか?

日銀の新しい緩和策導入の背景は?

日銀はこれまで様々な金融緩和政策を実行してきました。2016年2月に導入されたマイナス金利政策もそのひとつです。この政策により長短金利は軒並み低下しました。しかし一方で銀行や保険会社の経営や運用への悪影響も懸念されたことなどから、これまでの金融緩和政策に若干の修正をかけましょうとなったわけです。

新政策の注目点は「長期金利の誘導」

新しい金融緩和策について要注目なのは今までマイナスで推移していた長期金利を「0%で推移するように誘導する」という点です。実際に、新政策が打ち出されて以来2016年10月初旬時点では、長期金利はじわじわと上昇しています。

新発10年国債利回り(2016年10月28日 終値:-0.050%)

新発10年国債利回り(2016年10月28日 終値:-0.050%)

(出所:日本相互証券株式会社 新発10年国債(終値))

長期金利の上昇で、住宅ローン金利も上昇する?!

長期金利が上昇すると、年金や保険に運用利回りの上昇が期待できます。現在、販売停止されている貯蓄性の保険商品やMMFなどの販売が再開される可能性がある、など私たちの暮らしにとってプラスの面もありそうですが、一方で住宅ローンを新しく組もうとする人や、借り換えしようと思う人には朗報とは言えないかもしれません。
たとえば、全期間固定金利型に代表される固定金利型の住宅ローンの金利は、長期金利を目安に金利が決定されるため、場合によっては住宅ローン金利の引き上げにつながる可能性があるからです。

実際に、長期金利が上昇したことを受けて8月までは低下傾向にあった代表的な住宅ローンのひとつ「フラット35」の借入金利も9月、10月と最低金利が2ヵ月連続で引き上げられています。民間金融機関の住宅ローン金利については、10年固定金利型ゾーンでの金利を引き上げたところ、変えないところ、逆に金利を引き下げるところ、と金融機関によって対応は異なるようです。

金利推移

金利推移

(出所:筆者作成)

長期金利を日銀がどこまでコントロールできるかは不透明であり、今後も金利の上昇傾向が続くかどうかはわかりませんが、長期金利が日銀の新政策により0%程度での推移に近付くようなら、住宅ローンの金利は固定金利型を中心にこれまでと比べて上昇する可能性はあるといえるでしょう。
住宅ローンでは、一般的に契約時点もしくは融資実行時点での金利が適用されるため、長期金利の上昇によって、申し込み時点で予定していた金利と実際の適用が異なる可能性もあります。今後の長期金利の行方をウオッチしておくと同時に万が一、金利が上昇した場合でも無理なく返済できるような資金計画を考えることが大切ですね。
また、「長期金利が0%程度で推移するように誘導」するわけですから、今後は、住宅ローン金利が変動しにくい環境が続くことも予想されます。そのため金融機関による金利差が小さくなることも考えられますので、今後の住宅ローン選びは金利だけでなく、繰り上げ返済機能やコスト、付帯サービスなど金利以外の商品性も重要となりそうです。金利だけでなく、サービス等も含めて自分にとってのメリットをしっかり見極めて、総合的に金融機関や商品を選びましょう。

  • 本稿の内容は2016年11月の情報をもとに作成したものです。
執筆者
金子千春

金子千春

かねこ ちはる

  • フィナンシャルプランナー

千春コンサルティング事務所代表。約9年間の銀行窓口経験を経て2004年よりFPとして独立。文京区民向けのライフプランセミナー、国家公務員共済組合主催の住宅ローンフェア講師、住宅展示場での住宅ローンセミナーやローン相談、宅建資格講座の講師、企業のDCセミナー、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ということのないようにという観点から、幅広い分野で活動中。

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[2021年3月29日現在]