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ふるさと納税が住宅ローン控除に影響?併用時の注意点を解説

住宅ローン控除とふるさと納税、併用は可能?

自分の出身地、または応援したい自治体などに納税(寄附)することができる「ふるさと納税」。畜産物や果物など、地域色豊かな返礼品を用意する自治体もあることで、広く人気を集めています。ところで、自宅を購入し住宅ローン控除を受けている間、このふるさと納税はできるのでしょうか。

結論からいえば、住宅ローン控除を受けながらでも、ふるさと納税を利用することは可能ですが、住宅ローン控除を満額受けられない可能性があります。また、医療費控除との併用も可能です。

この記事では、住宅ローン控除とふるさと納税の両方を利用する時に、どのような点に注意が必要なのかを解説していきたいと思います。

住宅ローン控除(住宅ローン減税制度)とは

まずは、それぞれの制度内容を解説します。住宅ローン控除とは、年末時点で住宅ローンの残高がある方が利用できる税額控除の制度です。税額控除とは、所得税や住民税の納税額から一定金額を減額することができる制度のことをいいます。

住宅ローン控除の制度内容

住宅ローン控除は、頻繁に制度内容が変わっているのでこれから住宅ローンの利用を検討する人は新しい情報を取得することが大切ですし、既に住宅ローンを利用している人は、ご自身に適用されている制度を把握しておく必要があります。ここでは2022年度の税制改正大綱で発表された新しい住宅ローン控除の内容を表にしました。

2022年住宅ローン控除の概要 入居年
2022年 2023年 2024年 2025年
控除対象となる住宅ローン残高の
限度額(控除限度額)
新築住宅 認定住宅 5000万円(455万円) 4500万円(409.5万円)
ZEH水準省エネ住宅 4500万円(409.5万円) 3500万円(318.5万円)
省エネ基準適合住宅 4000万円(364万円) 3000万円(273万円)
その他の住宅 3000万円(273万円) R5までに新築の建築確認済みの場合:2000万円(140万円)
上記以外:適用なし
中古住宅 長期優良住宅 3000万円(210万円)
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
その他の住宅 2000万円(140万円)
控除率 0.7%
控除期間 新築住宅 13年
(2024年、2025年入居の「その他の住宅」については10年)
中古住宅 10年
所得要件 2000万円以下

(出典)財務省 税制改正の概要>令和4年度税制改正の大綱の概要を基に筆者作成

例えば、2022年に新築の認定住宅を購入し、年末の住宅ローン残高が5,000万円以上ある方の住宅ローン控除額は以下の通りになります。

5,000万円×0.7%=35万円

このケースで、13年間住宅ローン残高が5,000万円以上を維持した場合の税額控除の合計額は以下の通りになります。

35万円×13年=455万円

住宅ローン控除は、まず所得税から税額控除が行われます。次に、所得税から控除しきれなかった場合は、住民税からも控除されます。ただし、住民税から控除される金額は、年間97,500円が限度となっています。例えば、住宅ローン控除が35万円分使えるにも関わらず、所得税の納税額が20万円の方は、35万円の控除額のうち、15万円分が余ってしまうことになります。この場合、住民税から控除できる金額の上限は97,500円であるため、住民税から税額控除をしても52,500円分は控除枠が余ってしまうことになります。(図1参照)

図1

(筆者作成)

また、住宅ローン控除の税額控除額は、年末のローン残高に基づいて計算されます。制度上の限度額と同額の住宅ローンを借りた場合は、図2の通り、住宅ローン残高が減少すると共に、税額控除額が減少していくことになります。

図2

(筆者作成)

ふるさと納税とは

ふるさと納税は、寄附金控除の一種であり、都道府県や市区町村などの自治体に寄附した金額から自己負担額2,000円を控除した金額が、所得税および住民税から控除できる制度です。

地方で生まれ育った方が東京などの都心に出てきて働くことになった場合、「公教育の費用などを地元の自治体が負担したのだから、税金は地元に納めたい」と考えるのは自然なことです。このような希望を叶えるのがふるさと納税の制度です。

具体的には、地元の自治体への寄附した金額の一部が納税額から控除されることで、結果的に地元に納税したのと同じことになります。

寄附をすると自治体によっては返礼品を送ってくれるため、「返礼品がもらえる分だけお得」という考え方もできます。

自分の地元以外の自治体に寄附をした場合でも、ふるさと納税の寄附金控除は利用できます。質の高い返礼品を送ってくれる自治体は寄附先として人気になっています。

ふるさと納税の仕組み

(筆者作成)(参考資料)
総務省 ふるさと納税 ポータルサイト

ふるさと納税の計算方法

2,000円の自己負担がありますが、寄附金が納税額から控除されて、かつ、返礼品を受け取れることから、できるだけ寄附をしたいと考える方はいると思います。

しかし、自己負担額が2,000円で済む寄附額には上限が設けられています。上限金額を超えて寄附をした金額は、納税額が控除されないので注意が必要です。

自己負担額が2,000円に抑えられる寄附金の上限額(以下、当該上限額)は、所得税および住民税において然るべき計算式で求められます。

ただ、その計算式はやや複雑になるため、ふるさと納税を仲介するサービス事業者のウェブサイトに備え付けられているシミュレーションを利用するのがお勧めです。

ここで注意点があります。その年の年収が決まらなければ、正確な上限額の計算はできません。12月に賞与を受け取る方は、年末近くまでふるさと納税の当該上限額が計算できないということです。

また、税制変更がある年の場合は、シミュレーションの機能が新税制に変更されるのに、一定の期間を要すると思われます。

ふるさと納税額の最終決定は、その年の終盤で当該上限額ギリギリの金額で寄附をすることがポイントです。

確定申告不要のワンストップ特例制度

ふるさと納税で納税額の控除を受けるためには、確定申告を行うことが原則となります。確定申告の手間を省きたいという方のために、寄附先の自治体に申請書を送るだけで寄附金控除が適用される「ワンストップ特例制度」があります。

ワンストップ特例制度は、寄附先の自治体が5団体以下で確定申告が不要な給与所得者等が対象になります。ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税からの控除はなく、納税額の控除は全額住民税から行われます。

(参考資料)
総務省 ふるさと納税 ポータルサイト

ふるさと納税と住宅ローン控除(住宅ローン減税)を併用できる理由

冒頭でも触れましたが、ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できます。ただし、住宅ローン控除によって所得税及び住民税の納税額が減額されていると、ふるさと納税の当該上限額も減少していることになります。

中には住宅ローン控除によって、ふるさと納税の控除対象とならないケースもあります。

以下の点をクリアできていれば、住宅ローン控除の税額控除枠がフル活用できている上、ふるさと納税額が当該上限額を超えていないことになります。

  • 住宅ローン控除の税額控除額が所得税の納税額未満である
  • ふるさと納税はワンストップ特例制度を利用し、住民税のみを対象としている
制度をフル活用したイメージ図

(筆者作成)

上記のように、住宅ローン控除は所得税から、ふるさと納税は住民税から引かれるようにすると、各制度を活用できているかどうかを確認しやすくなります。

確定申告時は要注意!住宅ローン控除が満額受けられないことも

先述の通り、ふるさと納税を行い、税の控除を受けるには「確定申告」「ワンストップ特例制度の利用」 のいずれかを行わないといけません。ワンストップ特例制度を利用する場合は住民税から納税額が控除されることになります。そのため、所得税から控除される住宅ローン控除額に影響を及ぼすことは原則ありません。

一方、ふるさと納税分を確定申告する場合は、住民税だけでなく、所得税からも控除が行われるため、住宅ローン控除の所得税の税額控除額に影響を及ぼす可能性があります。

所得税はふるさと納税分の控除後に住宅ローン控除が行われるため、住宅ローン控除の金額が想定していたよりも低くなり満額受けられないという場合もあり得ます。

住宅ローン1年目は特に注意!ワンストップ特例制度が利用できない?

住宅ローン控除が満額受けられないとなれば、大変な損失です。それならば、ふるさと納税はワンストップ特例制度のみ利用すればいいと思うかもしれません。ただ、残念なことにワンストップ特例制度が利用できないパターンもありますので、覚えておきましょう。

まず、ワンストップ特例制度が利用できる条件は以下の通りです。

  • 確定申告をする必要のない給与所得者など
  • 1年間の寄附先が5自治体以内
  • 自治体へ申請書を郵送している

住宅ローンの借り入れ1年目の人が住宅ローン控除を受けるためには、必ず確定申告をしないといけません。 ふるさと納税のワンストップ特例制度が使える「確定申告をする必要のない給与所得者など」に当てはまらなくなるのです。

ふるさと納税シミュレーションを使う時は気をつけよう!

数多くある「ふるさと納税ポータルサイト」の中には、ふるさと納税シミュレーションがあります。寄附額を入力すると、どのくらいの控除が受けられるかが計算できる、とても便利な計算ツールです。

ただ、住宅ローン控除と併用する場合は気を付けてください。なぜなら、これらポータルサイトのシミュレーションには、住宅ローン控除まで考慮されていないか、考慮されていたとしても税制改正への対応が完了していないケースがあるからです。利用するタイミングによっては正確な控除額が算出できないかもしれません。「考えていたよりも控除が少なく損をした」とならないためにも注意して利用しましょう。

ふるさと納税、住宅ローン控除ともに節税になる大変お得な制度です。上手に利用してメリットを享受できるようにしましょう。

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  • 本稿の内容は2022年4月時点の情報に基づきます。
執筆者
遠藤様

遠藤功二

えんどう こうじ

  • CFPR
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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[2021年3月29日現在]