SBI新生銀行

1億円以上の住宅ローンは組めるのか|大型住宅ローンの特徴やチェックしたい点について解説

1億円以上の住宅ローンは組めるのか|大型住宅ローンの特徴やチェックしたい点について解説

最近は都心を中心に1億円を超える不動産物件をよく目にするようになりました。多くの人が家を買う時は住宅ローンを借ります。しかし、「1億円以上もローンを抱えて大丈夫だろうか。」「1億円以上のお金なんて金融機関は貸してくれるのかな。」と思う人は少なくありません。実際には、1億円以上の住宅ローンを貸す金融機関はいくつか見られるようになりました。
このコラムでは上限金額1億円以上の住宅ローンについて、商品の特徴やメリット、デメリットを解説していきます。

住宅ローンの借入上限額とは

住宅ローンの借入限度額は、借りる人の収入や担保にする物件の価値などによって決まります。それでは収入の多い人が高価な物件を担保にするのなら、いくらでも住宅ローンを組めるのでしょうか。答えは、ノーです。住宅ローンの商品説明書には「借入金額:500万円〜1億円以下」というように、融資金額が記載されています。この金額は、各金融機関の住宅ローンによって異なります。上限金額が1億円以上の住宅ローンを望む方は、まずはホームページなどで融資金額や商品説明書などを確認するようにしましょう。

「金利が低いし、団体信用生命保険も気に入ったけど、説明書に書いてある融資金額よりももっと大きな金額を借りたい。」という希望がある方は、金融機関に問い合わせをしてみるのも手です。金融機関によっては、前向きに相談に乗ってくれる場合もあります。

1億円以上の住宅ローンの対象者は増加傾向!?

1億円以上の大型住宅ローンの対象者は増加傾向にあると考えられます。わが国の共働き世帯は1980年時点では614万世帯だったものが、2017年時点では1,188万世帯に増加しています。

また、世帯の収入が増加しているおかげもあってか、2000年〜2017年にかけて保有金融資産が3,000万円以上の世帯数は、約914万世帯から約1,169万世帯に増えています。

図表1

(図表1)

参考:男女共同参画局 男女共同参画白書(概要版)平成30年版
野村総合研究所、日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計
を元に筆者作成

子育て中の共働きの方々は、育児と仕事に追われているため、職場に近い場所に住みたいというのが本音でしょう。しかし都心の物件は、土地の価格が高いため、1戸で1億円を超えることは珍しくありません。
下記図表2あるとおり、都心3区(千代田区、中央区、港区)で売られている60㎡台の新築マンションのうち、1億円以上の物件の割合は、2015年の8.4%から、2019 年には18.4%に増加しています。

図表2:千代田区、中央区、港区で販売された60㎡台の新築マンションのうち、1億円以上の物件の割合

(図表2)

参考:FRKコミュニケーション 一般社団法人不動産流通経営協会
を元に筆者作成

また、不動産経済研究所の調べによると、価格帯が1億円以上の首都圏のマンション分譲戸数は、過去10年間で上昇傾向にあり、ここ4年間は1,800戸を超えて安定しています。(図表3)

低金利が続いていることと、共働き世帯が増えていることから、今後も1億円以上の大型住宅ローンの市場は拡大していくでしょう。

図表3

(図表3)

出典:株式会社不動産経済研究所
首都圏マンション市場動向(年間のまとめ)の2011年〜2020年分を参照し筆者作成

1億円以上の住宅ローンの上限額はいくら?

1億円以上の大型住宅ローンにも融資金額の上限はあります。上限は2億円だったり、5億円だったりと金融機関によって様々です。

ローン商品にもいろいろあって、通常の住宅ローンの上限を単純に「上限2億円」、「上限5億円」としている金融機関もあれば、大型住宅ローンを通常の住宅ローンと分け、商品説明書に「借入金額:1億円超2億円まで」と書いているケースもあります。

ローンの金額が大きくなれば、収入や担保の審査が厳しくなるのは当然です。大型住宅ローンを他の住宅ローン商品と分けている金融機関の場合は、金利や手数料、保証料は高くなっていないか、保証人は必要なのか、というように通常の住宅ローンの条件と異なる点を確認すると良いでしょう。

1億円以上の住宅ローンを借りる上でチェックしたいこと

ここからは、1億円以上の住宅ローンを借りる上でチェックすべき点をみていきましょう。

・事務取扱手数料

一般的に住宅ローンの事務取扱手数料には定額型と定率型があります。定額型は借入金額にかかわらず、5.5万円や11万円など決まった金額となります。また定率型は借入金額に対して2.2%かかるものが多い傾向です。定率型の場合、借入金額が高額になるほど事務取扱手数料に与える影響も大きいためよく確認しておきましょう。

SBI新生銀行で借り入れる場合の例

SBI新生銀行で借り入れる場合の例
  1. 本事務取扱手数料は団体信用生命保険のみ付帯した場合の金額です。ご選択いただく金利タイプや付帯サービスによって異なる場合があります。たとえば安心保障付団信とコントロール返済を付帯する場合は11万円(消費税込み)、さらに病児保育サービス、家事代行・ハウスクリーニングサービスまたは自然災害時債務免除特約を付帯する場合は16.5万円(消費税込み)となります。
  2. 借入金額×2.2%(消費税込み)の場合。変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>をご選択の場合は定率型となります。
  • 上記は借入金額に対する事務取扱手数料の比較であり、金利や返済期間等を考慮したものではありません。

・金利

借入金額が大きくなる分、金利の与える影響ももちろん大きくなります。年0.1%の金利負担は借入金額1億円の35年ローンで約176万円になります。将来金利が上昇した場合のインパクトが大きいことも頭に入れておくほうがよいでしょう。現状比較的金利が低い変動金利にするのか、教育費など今後の出費を考えて固定金利を検討するのかよく考えてみましょう。

・ペアローン

大型住宅ローンを組むとなると、借入金額が大きくなるため夫婦でペアローンを検討する場合も多いでしょう。メリットとして住宅ローン控除が2人分使えるということが挙げられます。一方で片方に万が一のことがあった場合、団体信用生命保険によって1人分の残債は完済されますが、配偶者の残債は残ってしまうといった注意点もあります。

  • 住宅ローン控除について詳しくは国税庁ホームページ等でご確認ください。

住宅ローン全般に言えることではありますが、特に借入金額の大きくなる1億円以上の大型住宅ローンを組む際にはライフプランをしっかり考えて検討しましょう。

  • 本稿の内容は2021年2月28日時点の情報に基づきます。
執筆者
遠藤様

遠藤功二

えんどう こうじ

  • CFPR
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、SBI新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • 本資料は情報提供を目的としたものであり、SBI新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • 金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • 上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性をSBI新生銀行が保証するものではありません。

当行では具体的な税額の計算、および、税務申告書類作成にかかる相談業務はおこなっておりません。個別の取り扱いについては、税理士等の専門家、または所轄の税務署にご確認ください。

新着記事

NEW
2024年3月
審査・申し込み

住宅ローンの事前審査・仮審査、とは?本審査との違いや必要な準備を解説

NEW
2024年3月
審査・申し込み 借り換え ライフプラン・豆知識

住宅ローンの「金消契約」とは?電子契約できる?契約の流れと来店要否を確認

NEW
2024年3月
中古・リフォーム 購入・借り入れ

住宅ローンは中古物件(戸建て・マンション)で組める?条件や注意点についても確認

閲覧が多い記事

返済 ライフプラン・豆知識

2024年以降の住宅ローン金利はどうなる?低金利時代が終焉する場合の対策も解説

審査・申し込み 住宅ローン控除・税金

住宅ローン初年度にやることは?確定申告やすまい給付金について解説

住宅ローン控除・税金 ライフプラン・豆知識

住宅ローン控除の期間が延長!我が家は対象になる?

住宅ローン控除・税金 ライフプラン・豆知識

住民税課税決定通知書とは?入手方法や必要性についても解説

おすすめ記事

返済 ライフプラン・豆知識

2024年以降の住宅ローン金利はどうなる?低金利時代が終焉する場合の対策も解説

シミュレーション 借り換え ライフプラン・豆知識

住宅ローンの借り換えはタイミングが大事?借り換え時の注意点について解説

金利 ライフプラン・豆知識

金利上昇!そのとき、あなたの住宅ローンはどうなる?選ぶなら、変動金利?固定金利?

返済 ライフプラン・豆知識

住宅ローンの返済比率はどのくらいがおすすめ?本当に無理なく返せるか年収を確認しよう

今すぐお申し込み

マイページへ登録済みの方は
こちら

お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ

〔受付時間〕
平日:9:00~19:00
土曜日:9:00~17:00
(日曜日・祝日・年末年始の休業日を除く)

ビデオ通話などでの相談をご希望なら

住宅ローン相談

住宅ローン

パワースマート住宅ローンについて

  • 借入期間は5年以上35年以内(1年単位)、借入金額は500万円以上3億円以下(10万円単位)です。
  • 変動金利(半年型)、当初固定金利をご選択された方は、当初借入金利適用期間終了後、ご契約時の事務手数料に応じた変動金利(半年型)が自動適用となります。
  • 変動金利(半年型)、当初固定金利を利用されている方は、金利変更時に当初固定金利タイプをご選択いただくことも可能です。ご選択にあたっては、手数料5,500円(消費税込み)がかかります。
  • 各金利タイプは、金利情勢等により、やむを得ずお取り扱いを中止する場合もございます。
  • SBI新生銀行ウェブサイトにて、借入金額や借入期間に応じた毎月の返済額を試算できます。
  • 事務手数料は、定額型をご選択された場合55,000円(消費税込み)、定率型をご選択された場合、借入金額に対して2.2%(消費税込み)を乗じた金額となります。それ以外に抵当権設定登録免許税、印紙税*、司法書士報酬、火災保険料等がかかります。*電子契約サービスをご利用の場合、印紙税は不要ですが、別途電子契約利用手数料5,500円(消費税込み)がかかります。
  • ご融資の対象物件となる土地、建物に、当行を第一順位の抵当権者とする抵当権を設定いただきます。
  • 当行の住宅ローンを既にご利用中のお客さまにつきましては、当行で借り換えをすることができません。
  • 住宅ローンのご融資には当行所定の審査がございます。審査結果によっては、表示金利に年0.10%~年0.15%上乗せになる場合がございます。ご希望にそえない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

[2024年1月22日現在]