外貨で運用をお考えの方に

事前に損益分岐点を確認しておこう 事前に損益分岐点を確認しておこう

馬養雅子

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馬養雅子(まがい まさこ)

オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャルプランニング技能士)。「お金のアドバイザー」として家計管理や 資産運用などの個人向けコンサルティングを行うほか、新聞・雑誌にマネー関連記事を数多く執筆しています。金融関連企画へのアドバイス、講演などでも活躍中。

外貨預金と円預金の違い

同じ預金であっても、「円預金」と「外貨預金」には、決定的な違いがあります。

一般的な円普通預金や円定期預金であれば、解約時または満期時に受け取れる元金は、預入金額を下回ることはありません。また受け取れる利息も事前に決められた額が確実に受け取れます。元金も利息も決まった額を下回ることも上回ることもありません。

それに対して外貨預金は、円ベースで元金と利息の額が為替レートの変動によって増えたり減ったりします。また、預入時と満期時の為替レートが同じであったとしても、円を外貨に換えるときと外貨を円に戻すときにそれぞれ為替手数料がかかるので、その分元金が減ります。

このように外貨預金は、円預金と違い、為替手数料の負担がかかることとに加えて、為替レートの変動によって円ベースでは元金と受け取れる利息の額が確定しないのです。

損失の生じない為替レートを計算しておく

外貨預金を利用するときは、利息と為替手数料相当額を含めて、損失の生じない為替レート、つまり「損益分岐レート」をあらかじめ計算して把握しておくとよいでしょう。特に利息については、たとえば為替レートがわずかに円高になって元金は為替差損が生じたとしても、税引後の受取利息額がその損失を上回れば、トータルでの収支は損失となりませんので、損益分岐レートの計算では利息の額も考慮して考えましょう。

では、どのように損益分岐レートを計算するのかを、例を用いて説明しましょう。

(試算条件)※金利・為替レート・為替手数料は仮定の値です

  • 元本10万円、米ドル外貨定期預金(1年もの)に預入
  • 適用金利:年0.3%(税引前) 税引後=年0.239%*1
  • 為替手数料:1米ドルあたり50銭
  • 円を米ドルに換えるときの実勢為替レート=119.50円 為替手数料込みの為替レート(TTS):1米ドル=120円

(試算結果)

  • 米ドルベースの元本=10万円(元本)÷120円(TTS)=約833.33米ドル
  • 満期時の受取利息額(税引後)=833.33ドル×0.239%×1年=1.99米ドル
  • 満期時の元利合計(税引後)=833.33米ドル+1.99米ドル=約835.32米ドル
  • 損益分岐レート=835.32米ドルを円に戻したときに10万円になる実勢為替レートに為替手数料を加えた値となりますので、10万円÷835.32米ドル=1米ドル=119.71円、為替手数料を考慮した為替レート(TTB)が119.71円になるには、実勢為替レートで1米ドル=120.21円(119.71円+50銭)と計算できます。

つまり、1年後に外貨を円に戻す際の実勢為替レートが(為替手数料50銭の場合)1米ドル=120.21円より円安なら損失が生じないということになり、元本割れが発生しないためには、1年後の満期時の実勢為替レートが預入時より0.71円以上円安(120.21円-119.50円)になっている必要があると言えます。

*1利息は源泉分離課税(国税15.315%、地方税5%)として課税されます。

シミュレーターを使えばカンタンに計算できます

損益分岐レートはこのようにご自身で計算することもできますが、インターネットにある無料のシミュレーターを使う方法もあります。

たとえば新生銀行の「外貨預金シミュレーション」は、金利や期間の設定ができませんが、通貨を選び、日本円での預入額を入力すると、外貨での預入額と預入時の為替レート(TTS)と外貨を円に戻したときのレート(TTB)が自動的に表示され、「結果を表示・再計算」をクリックすると、為替損益が表示されます。TTBを自分で動かしてみると、損益分岐レートがわかります。

また金利や期間の設定ができる「価格.com」のシミュレーターでは、9種類の通貨について、為替手数料や預入期間などを細かく設定することができ、損益分岐点も自動計算してくれます。

こうして損益分岐レートを事前に把握し、運用状況の目安としてはいかがでしょうか。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • ・金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • ・上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。
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