投資信託で運用をお考えの方に

投資信託も色々、平均並型と個性派型(パッシブ運用とアクティブ運用) 投資信託も色々、平均並型と個性派型(パッシブ運用とアクティブ運用)

島田知保

profile

島田知保(しまだ ちほ)

イボットソン・アソシエイツ・ジャパン(株) 月刊「投資信託事情」発行人・編集長。国際基督教大学卒。食品会社、国立研究機関、衆議院議員秘書を経て1995年より「投資信託事情」発行人・編集長。同誌は創刊51年目を迎える投資信託の専門誌。プロ向け、一般向けを問わず、一貫して長期・積み立て・分散投資をテーマに活動。幸せ作りの道具として、お金や金融商品と「あんしん」して付き合うことを提案している。

運用方法は大きく2つに分かれる

どのような商品でも、選択の基準は人によって異なります。例えば、衣服なら「高くても質の良いものを着たい」、逆に「品質よりも価格重視」という方もいれば、「流行を先取りしたい」「耐久性重視」など、様々な考え方があるでしょう。

ところが投資信託は、目で見ることも、手にとって比べることもできない上に、いくら過去の運用実績が良くても、今後もそうなる保証はありません。おおよそ5,000本以上もあると言われる投資信託の中から「何を買うか」と考えると、とても大変そうです。では、選ぶ場合のポイントは何でしょうか。

さまざまな判断基準がありますが、今回は、まず押さえておきたいポイントとして、商品の運用方法による違いをご紹介します。投資信託には、大きく分けて2つの運用方法があります。

パッシブ運用とアクティブ運用

ひとつは、運用会社が、投資信託の値動きがなるべく市場と同じ動きをするように運用する「パッシブ運用」タイプ。もうひとつは運用会社が独自の銘柄選別により市場平均を上回る運用成績を目指す「アクティブ運用」タイプです。名前の由来は、パッシブとは日本語にすると「受身、受動的」、アクティブは「能動的」という意味からです。

「パッシブ運用」は、たとえば日本株式の運用なら、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価指数(日経225)など、市場の動きを表す代表的な指数(インデックスと言います)となるべく近い値動きをすることを目指して運用されるものです。そのためパッシブ運用のことを「インデックス運用」とも言います。様々な地域・国の株式・債券ほか様々な市場について、その動きを表す代表的な指数が多数あり、パッシブ運用の投資信託にも色々な種類があります。

「アクティブ運用」は、市場の動きを表す代表的な指数よりも高いリターンを目指して運用します。リターンを追及するために、運用会社のアナリストやファンドマネジャーは情報を収集し、企業や業種の分析を行います。同じ業種の中でも、より競争力の高い企業や、今後より大きな成長が期待できる投資分野などを見つけ出すためです。最終的には、ファンドマネジャーがそれらの情報を基に投資判断を下して、売買する銘柄を決めて運用します。アクティブ運用の投資信託には、投資テーマ(例えば、割安株を買う、成長株を買う等)や投資地域・国を絞ったものなども多く、バラエティに富んでいます。

メリットとデメリット

「パッシブ運用」の投資信託のメリットは、わかりやすさとコストの安さです。

その投資信託が連動(同じ値動き)を目指す指数をみれば、投資信託そのものの値動きも、投資している銘柄も概要が把握できるという点で、わかりやすいといえるでしょう。またコスト面では、アナリストやファンドマネジャーによる企業や業種の調査・分析・意思決定の手間が節約できるため、保有期間中かかる信託報酬がアクティブ運用にくらべて安く抑えられていたり、購入時の手数料が無料のものも多数あります。デメリットは、対象となる指数の値動きと連動するように運用されますので、その指数を超えるような投資成果は初めから狙わない、つまり平均点で満足しなければならないことです。中には、物足りないと感じる方もいるかもしれません。

一方で、「アクティブ運用」は指数と同程度の値動きでは物足りないという方に向いていると言えるでしょう。「アクティブ運用」のメリットは、個性的な投資信託を選ぶことができることと、運用成果によっては市場の値動き以上の投資成果を得られる可能性があることです。

たとえば、市場全体の平均点ではなく、割安な大型株や、配当性向の優れた銘柄に投資をしたい、あるいは小型株で成長性のある銘柄に投資をしたい、このタイミングならこういった業種に特化した投資をしたい、などの投資方針がハッキリしている場合には、それにマッチした投資信託を探して選ぶことができます。つまり、より自分の投資目的や好みにあった個性を追求した投資信託が選べる点が魅力的といえます。また、この選択次第では、市場の値動き以上の投資成果が得られる可能性も広がるでしょう。ただ、この市場の値動き以上の投資成果が期待できるというのは、場合によっては「アクティブ運用」のデメリットともなります。たとえば日本株で運用するアクティブ運用の投資信託の場合、日経平均株価が大きく上昇していても、その投資信託は値下がりする場合もあります。つまり、運用成果はあくまでもその投資信託の銘柄選別や運用手法次第なのです。

また、もうひとつの「アクティブ運用」のデメリットは、一般的にはコストが相対的に高くなることです。前述のようにアナリストやファンドマネジャーの運用ノウハウを活用しますので、パッシブ運用よりコストが高くなる傾向があります。また購入時の手数料も相対的に高いものが多くなっています。

「平均並み」と「個性追求」。自分の投資目的と好みに応じて、運用方法の違いを押さえておきましょう。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

  • ・本資料は情報提供を目的としたものであり、新生銀行の投資方針や相場観等を示唆するものではありません。
  • ・金融商品取引を検討される場合には、別途当該金融商品の資料を良くお読みいただき、充分にご理解されたうえで、お客さまご自身の責任と判断でなさるようお願いいたします。
  • ・上記資料は執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を新生銀行が保証するものではありません。